北九州市・下関市~関門ジギング~

これは「サラリーマン人生」を掛けた釣り物語。ジギング1本で社長と対決、ハードコアなリーマン人生を追った。

土曜:夕マズメの奇跡~夏の終わりのハーモニー~

釣りは行っている。ただ最近はちょっぴり忙しく、社員全員は珍しく土曜出勤。土曜に出勤するなどいつ以来だろうか。しかしながらさすがに仕事は終日ではなく、15時くらいにメドが付いたら帰ろうというムード。

「終わりそうか?」

別に仕事が終わろうが終わるまいが、「今日は15時から釣り」と前日の金曜から社長と私の腹積もりは決まっていたのでこれはムダな質問ではあるけれど「問題ありません!」と回答し、残った仕事を他の社員に押し付けて私と社長はそそくさと15時過ぎに退社。その後、社員が残ったかどうかなど我々は知る必要もない。

さて、最近はめっぽう涼しくなった。さあ行くぞ!久々のジギングだ!夕マズメ、この時期の夕マズメはけっこう渋いとわかっていてもワクワクが止まらない我々は私の軽自動車をかっ飛ばし、港に到着。最速タイムの15時半過ぎには船に乗り込んだ。ジギングなので餌だとか不要だし、道具は常にクルマに積んであるから大変贅沢な釣りに会社TO船は40分、現場海域まで40分、16時半には釣り開始、とても贅沢な釣りが待っている!と思いきや・・・。

トラブル発生その①

3日前に釣って生け簀に生かしておいたマゴチ2匹とオコゼの様子がおかしい・・・。船にハンパない異臭が漂っている。これはまさか!?思い切って生け簀を空けると乳白色の水とともに炸裂する異臭。これは異臭騒ぎではない、異臭だ。繰り返す、異臭だ。

「もたなかったか・・・」

 「えと・・・船出しましょう」

作戦はこうだ、船が動けば生け簀の水が循環するので、少しでもキレイになったところで腐乱化した遺体の除去作業に掛かろうという算段。異臭に耐えながら出港準備を整え、いざ出発。社長がハンドルを握り、私が生け簀用のたも網を握る。

 「リーダーも結んでおけよ」

社長のPEにリーダーが付いてない、どうやら前回の釣りで終わってしまったようだ。つまり現場海域につく40分のうちに牛乳が腐ったような色とニオイの生け簀から腐乱死体を除去したのち、リーダーを結ぶという大変ヤリガイのある仕事が発生した。リーダーなぞ私の丁寧かつ最速FGノット結びで約5分。自分用なら余裕で5分を切るが、これは社長のリーダーだ。結び目からスッポリ抜けたりでもした日にはサラリーマン人生に大きく関わる。ここは慎重に結びたいところ。

その前にまずは異臭、生け簀の掃除だ。水圧によって生け簀の水がある程度循環するまで待とうとしたのだけど・・・予想に反して波が高い?(ヤバい)沖に出るとさらに高くなる予想。つまり波が高くなるまでにある程度片づけておかないと走って跳ねる船の上では乳白色の腐って大変クサい汚水を全身に被る可能性がある。(やるか)意を決して船が走り出して5分もせずに生け簀のフタを開ける。なんてことだ、やはり想像通り循環していない。既に化石の標本のように身が崩れ落ちて骨だけヤツもいれば、腐乱化現在進行中でパンパンに膨れ上がったヤツもいる。そんな奴らの身、皮、骨が排水溝を塞いでいるのだ。

「バケツでくみ出せ」

前方の運転席でハンドルを握り、前方で風上、異臭とは全く無縁かつ安全な場所の社長から指示が飛ぶ。まるで戦地へ赴く神風特攻隊に安全な指令室から「死んでおいで」と命令を下す日本空軍司令官のようだ。イエッサー社長、そのつもりですよ社長!頑張りますよ社長!任せといてください社長!来た時よりも美しく、お国、いやお船の為に死んで参ります!アナタの船はボクの船・・イヒヒなどと思ったかどうかはおいといて、バケツを片手に腐った生け簀へ手を突っ込んだその瞬間、やっぱり・・・お約束発生。大きな波で船底を打ち、ガン!と船が跳ねた瞬間、乳白色の水が私にびしゃり。ぎいやあああああと思ったところでどうでもいいや、一気に行くぜ。ひたすら水をかき出しては骨、皮、遺体を回収し、どんどん船外へ放り出す事15分。ついに排水溝をふさぎ腐乱化&白骨化した遺骨の回収・除去に成功し、キレイな海水が循環し始めた。しかしながら「頭を下げた低い体勢」+「激しく揺れる船」+「異臭」という環境は一撃で私を船酔い予備軍へと仕上げてしまった。

次はサラリーマン人生を掛けたリーダー結びだ。絶対にスッポ抜けない強度を保ちつつ、船が到着するまでに完成させないといけない。通常ならゆっくりやっても5分程度で終わる作業なのだけど、予想外の荒波の中で夕マズメに間に合わせるべく最大船速で現場海域へ向かって走り続ける船がもたらす強風とおケツが跳ね上がるほど揺れる船上でチマチマとリーダーを結ぶも、どうしても軽いPEラインが強風で暴れまくる。

結果、半分ほど巻いて、途中で諦めてしまった。つーかもう無理。ギブアップ。社長、到着して船が落ち着いたら結びますからご勘弁ください。サラリーマン人生を掛けるには状況が悪すぎる。ここはいったん引こう。

 トラブル発生その②

つまり船酔いだ。社長のリーダーをしっかり巻いて、安定したサラリーマン人生が少し伸びたと安心したあたりから、胃のムカムカが限界を超えた。二日酔いの日ばりに吐きまくってしまった。吐いても吐いてもムカムカする。吐いてはリールを巻き、巻いては吐く。滅多に酔わないのだけど、たまに酔ったりした時は「ちょっと吐いてきまーす。えへへ」などと言いながら「えおろえろおおえおおおろろおおお~!」と吐いてしまえばもう復活だ。こちとら幼少の頃から乗り物酔いが激しく、吐きまくって来た人生なのでリバースなど慣れたものなのに、この日ばかりはちょっと違った。

「釣れんぞ~」

「はい、えろろろろろろおおお~」

「釣れんぞ~」

「はい、うえええろろろろろろ~」

まさに玉置浩二井上陽水が奏でる夏の終わりのハーモニー。夏の終わりにこんなゲロを吐くとは。

しかし釣れない。アタリどころか魚の気配もない。リバースを繰り返しながらもジグをしゃくっていたのだけど、「ごごっ!」(; ・`д・´)!キタ!

きっとハーモニーさながら撒き餌(ゲロ)を巻き続けた効果だろうか、ついに幸運が訪れた。社長でなく私に。

ぐいぐい~!おお~引きますよ!

ブルブルっ!おお~頭振ってる!

「デカいか?」

「いや、ヤズ(ブリの小さいの)でしょう!」

けっこう引くんだコレが。小気味いい引き。青物って小さくてもコレだから楽しいよね。さあて、獲物は何だ~?^^

 

おお・・

 

なんと・・・

 

 

 

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フグ。

FUGU。

えふゆーじーゆー、FUGU。

 

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船酔いで気力・体力を奪われた私はフグとヤズの違いもわからなくなっていた。その後、釣れない時間だけが過ぎて行く。しかしながらあまりにキレイな夕日に我々はスマホ片手に撮影タイム。

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夕日で海がピンクにそまり、段々と漆黒の赤と変わっていき、ついに暗くなったその瞬間!

「来たぞ!」

きたあ!

社長に来た!

ジグの方がでかい、15センチくらいのアラカブが社長のジグにヒット。

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(撮影拒否)

「ボウズ免れたぞおおおお!」

さあ、帰ろう。非ボウズ達成、たくさん夕日も撮影した贅沢な釣りだ。20時過ぎ、あたりは真っ暗、胃はまだムカムカ。夜なのでビビりながらも操船し、途中、どっかで上がる花火など見ながら21時頃に帰港した。

「飯くうぞ!」

まだ胃がムカムカしていた私はラーメンとか汁物希望だったけど、あちこち閉まってて、ファミレスに決定、そこでグラタンを注文。さらに「コレも食え」とステーキをいただいて、悲鳴を上げている胃にオラオラオラオラ!とスパルタ教育。大変おいしかったっす。

「青物、まだ早いかのう」

「いや、もう釣れていい頃っすよ」

「もっと沖いこか」

「まさか・・・」

「80メーターくらいか?」( ̄ー ̄)ニヤリ

きゃっほー!社長!ありがとうございます!今度はガチンコ80mゾーンでジギングだ!

(たぶん35メーターあたりになります。なんだかんだ深いとキツイのでw)

 おわり