北九州市・下関市~関門ジギング~

これは「サラリーマン人生」を掛けた釣り物語。ジギング1本で社長と対決、ハードコアなリーマン人生を追った。

釣り納め2017かもしか

12/15(金)9時集合で9時半出航。ちょっとゆっくりめ。だって寒いから。

《ピロリーン♪》 

朝、スマホで部下からの数字の報告を受ける。

「おお!社長!これは・・・」

朝一、私が「会社不在」の場合は必ず私のスマホに数字報告を送るように部下に頼んでいるのだけど、例えそれがなんの前触れもない、突然の不在でも何事もなかったようにいや、いつものように《ぴろりーん♪》と飛んでくる。よくできた部下だ。・・・きっと、おそらく、多分、いや、きっと?もちろん?・・・釣りに行ってるのは・・・・バレてると思うけど。

「うえっへっへ、社長!けっこう数字上がってますよ!」

「おお、そうか!」

「やっぱり我々がいない方が数字上がるんじゃ?」

「そうかものう・・うえっへっへ」

「うえっへっへっへ」

そんな「うえっへっへ」などと妙な言葉を発しながら社長と私はお約束通り、ボートを最大船速でかっ飛ばし、一路「白島沖」へ向かっていた。しかし最近は特に寒い!むちゃくちゃ寒い!天気予報で5度とか6度とか北部九州の12月としては寒すぎる。しかも海の上ならさらに体感温度は真っ逆さまに急降下。とてもじゃないけどアホみたいに出航する我々もさすがにカラダが拒絶反応を起こしてしまい、ここ最近は釣りに行かなかった。カラダが冬眠モードに入ってしまったのだ。とにかく寒いのはイヤだ。

しかしながらなんと一日だけ。そうたった一日だけ「最高気温13度」などと結構、平年並みの天気予報だ。風速も2~3の南風。これは平日だろうが何だろうがイクしかない。

そしてここで兼ねてからの疑問に迫りたい。私と社長が偶然に、しかも同時に「平日不在」の場合、数字が大きくハネ上がる事が多い。リーチいっぱつタンピンドラドラ、親のハネ満、親っパネのインパチだ。船の上で数字報告を受けると、2人して「うえっへっへ」「うひゃひゃひゃっ」となる場合が多いのだ。「我々はいないほうがいいんじゃ?w」と私は社長によく言っているのだけど、私のようなうるさい上司がいないというだけで数字はハネ上がるものではないし、これは単なる偶然なのだろうか。冷静に分析すれば、我々が「同時不在」という事はけっこう偶然にも「釣り日和」な日に限られる。釣り日和という事は高気圧に覆われて天気が良い日・・・となるがきっと釣り日和な日は営業数字も釣り日和なのだろう。ただ注意しないといけないのは、我々のお客さんは日本全国相手なので福岡や北部九州だけ釣り日和ではいけないと思う。うーむ、そう考えると我ながら「全国的に釣り日和」だと数字が上がるというのは素晴らしいデータだと思うし、結論から言うと「全国的に釣り日和な日」は釣りに行った方がいいという事だ。確かに社長が色んな小道具を大人買いする時も天気がいい日だな、購買意欲が沸くのは天気が良い日だな、マジですごいデータだ。私ってばアナリストになれるかも。

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などとそれがたとえ釣り中であろうとも仕事を忘れない私は細かく市場を分析しながらも船は順調に進む。目的地へ約半分ちょっとの藍島を超えても波も風もなく、これはカンペキに最高な釣り日和やのう、うえっへっへなどと社長と言いながら一気に白島沖へ到着したのだけど、到着するやいなや、まさかの。

 

 

( ゚Д゚)え?

 

 

(; ・`д・´)これは・・・?

 

 

(+_+))))・・・さ・む・い。

 

 

「びゅおおおおおおおおお~!!!」

 

え?マジですか?現場に着いた瞬間これ?私って何か悪い事しましたっけ?いやいや、普段からちゃんと仕事してますけど、むしろ社長?何か心あたりは?何か日ごろの行いに思い当たることは?・・え?まさか?

いや、そんな事どうでもいい。もうやるしかない。年内最後かもしれない。風にあおられながらシーアンカーを投入するも、船はかなりの風でどんどん流される。

「天気予報、当たらんやんか!」

社長!予報が当たらんからと言って私に当たらんでください!予報通り南東の風は吹いています!などと言っても全く意味がないくらい容赦ない風とうねりがプレジャーボートを木の葉のように揺らす。

しかしそんな事はどうでもいい。元々私達は魚探もつけず、流されるがママの気楽な釣りが身上だから還って魚がいるところに流してくれるかもしれない。しかし気になる事がひとつ。朝から一回も魚を見ていない。ぽちゃんと飛び跳ねるサワラジャンプすらお目に掛かっていないのだ。

変な予感は的中。あのにっくきエソすら当たらない。当たるのはワカメと根掛かりだけ。

 しかし今年一年で成長したなあ、と思う事がひとつ。

「エソでもいいからなんか釣れえええ!」

という社長がナニも言わないまま黙って、それこそ休む間もなくジギングを繰り返しているのだ。これがいかに奇跡か。青ケブのフサ掛けから始まり、活きエビのテンヤを経たのち、タイラバからインチクへ。そしてついにはジギングである。こんな社長を誰が想像しただろうか。今や「餌がなくても大丈夫」「釣り具のポイントに寄らなくても大丈夫」な状態になった社長は見事に「トライアルかセブンイレブンで弁当」のみにまで進化してしまったのだ。ジギングしかしないワタシとしては嬉しいばかりであるが、残るは「泳がせ釣り」である。「前日にアジ釣っとけ」と言い出さないかだけが気がかりなのは言うまでもない。

さて、強度の冷風にあおられた上に何も当たらない我々は一気に戦意喪失。藍島沖まで戻ろうという事になったし、それに異論はなかった。だって何も釣れないんだもん。藍島沖まで戻ったのち、ジギング、インチク、そしてタイラバまでをも投入するも何も当たらない。

「帰ろうか」

「そうっすね」

まさに完敗、近年まれにみる事もない完膚なきまで叩きのめされた痛恨のダブルボウズである。これが今年の釣り納めになるかもしれないのにかなり屈辱的な結果である。

「私は何か当たったような気がするぞ?」

「私、根掛かりとワカメだけっす」

 そんな会話もむなしく船が帰路中の六連島を正面に捉えた時、社長の操船が停まった。

「・・・帰るの早すぎじゃないか?」

その通りである。だって時計はまだ14時過ぎ。これが今年の釣り納めになる可能性も高い上にこんな時間にしっぽまいて帰る我々は我々ではない。しかもこの時間になってベタなぎ。さっきまでと打って変わって一面は湖畔のようだ。しかもポチャポチャ跳ねてるのだ。何が跳ねてるかって、今日初めて見るSAKANA、サカナ、魚、つまりそれはサゴシ(極小)である。

「おお~!サカナいた!なんか釣れそう!」

テンションMAXでサゴシ用のジグに変え、投入した瞬間!

 

「お、お、なんかキタぞおおお!」

 

社長の竿が曲がって・・・

 

・・ない!曲がってない!(笑)ただ、ピクピク動いているように見えるから見事に小さい何かが掛かっているようだ。

上がって来たのは~!エソ!そして船に上げる事もなく見事にキャッチせずリリース!私が写真を撮るスキすら与えない。これは証拠隠滅か?サイズは20センチ満たないくらいの、つまりとっても小さいエソが本日最初のお客さんとなった。

「これでボウズは免れたなあああ。ふっふっふ」

「お前はな~んも釣ってないなあ・・ふっふっふ」

ええ!?社長!プライドはないのですか!まさか数々の大物を射止めてきた社長があんなエソごときでこのボウズ大会に勝敗を付けようとしている!?しかもそれが例えエソとは言え、キャッチしてないっすよ、バラしたと言っても過言ではないキャッチせずリリース。まあ、エソだからそれが最善なのだが。

(ヤバい・・・)

「しかも生け簀には鯛もいるしのう~」

それはまさしく先週釣った鯛!?それもなぜかこのボウズ大会の成績に加えようとしている!?

大変マズイ。今日一日の釣果はワカメと根掛かり。しかもジグ1本ロスト。

「ここ、マゴチもよく釣れましたよね~」

もう仕方ない、今夜は西京焼きをしようと川村隆一の奥さんが愛用している西京焼き用のみそまで会社の役員が準備してくれている。つまり今夜は西京焼きパーティの予定だったからサゴシを狙おうとしていたけど、底を丁寧に取る作戦に変更するしか。この際、何でもいいから釣らないと!

 

するするする~トン、着底、ふん!とジグを揺らすとゴン、グ・・・!

(慌てるな、これは根掛かり?ワカメ?それとも・・・・?)

竿を立てるとグングングングン・・・!

 

こいつは・・・。

 

「社長!これ、SA・KA・NA!

「サカナ!さかな!これ、魚でえええええす!♪」

もうこいつしか今夜のおかずはない。社長も竿をほっぽり出してタモ準備。グングン!と引く感じは鯛?でも時折フワっとなるコイツはもしかして・・・。

 

 

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マゴチ。

丸々太ってて見事なマゴチ。面倒だからサイズは図らないけど、けっこう刺身も取れそうだ。まさにこの日、私のジグに反応してくれた最初で最後のサカナだ。

 

「よ~し、帰るかあ。」

 

 

 

「え?社長・・・」

 

 

エソしか釣ってないけど帰っていいんすかああ?

 

「ぐっ、おまえええええ!www」

 

 

ついに言った、言えてしまった、2017年の漢字は「北」らしいが、サラリーマン人生を掛けた私のキーワードアワード2017候補はこれだ。

 

 

 

♯社長の釣り納めはエソ

 

ブログっぽく、ハッシュタグなど付けてみました。

 

 

・・・え?今年中にリベンジ行くんすか?

 

「釣り納め2017かもしかパート2」へ続く

 

・・・かもしれない。寒いのはイヤだ。

 

おわり。