2018新春初釣り「男★ピラニア先輩、初釣りの海に散る」
2018/1/7 大潮
「ポイントの福袋買ったよ~。」
正月元旦早々、ピラニア先輩からLINEが入った。新年のご挨拶代わりにいただいたLINEの内容がコレだ。
社長が使っているジギングロッドと同じ竿をゲットで念願の4,000番台のリール。PEもリーダーもジグも付いてたフルセットだ。ロトの勇者がこん棒からはがねの剣を装備したように期待度もMAXだ。
早速その福袋セットで2018年初釣りと行こうではありませんか。
前日の土曜日にガソリンを満タン(一人で)入れてピラニア先輩を待つ。社長不在につき、私の友人「トシオ」も参戦で今日はこの3人だ。彼は年末にも同釣し、「連続5バラシ記録更新中」なのでその記録更新にも期待したい。
天気予報は晴れ、風速1.1.1.1.2.3.1.1.1。
これなら十分釣りになると踏んでの出船だ。向かうは白島沖35~50メーター。男島付近にある「コ瀬」から沖に流すパターンである。
現場へ向かう道中、揺れる船の上でピラニア先輩が下を向いて何やらごそごそしている。リールにPEを巻いているのだ。リールに糸を巻くなど大した作業ではないが、風が強いので少々手こずってる模様。でも、そんなのお家でやってくればいいのに(笑)
さあ、沖についた。まずはピラニア先輩のリーダーを巻こう。トシオは勝手に釣ってていいよ。
スッポ抜けちゃならんと気合を入れてFGノットを編み、ピラニア先輩へ。
「はいどうぞ」
「おえっぷ」
「おえっぷ?」
なんとピラニア先輩、いきなり酔ってるうううwww
「下向いてたのがいかんかったかな」
ピラニア先輩、まさかのいきなりの戦線離脱である。リールに糸巻いてて酔うなんて、なんてこった。まあちょっとゆっくりしといてくださいね。
・・・とか言ってたら「きたああああああ!」なんとトシオにいきなりヒット。私はまだ準備もしていないのに!
しかしながら彼は変わっていた。人の言う事を聞かないトシオが私の言う通り、PEは3号、リーダー30ポンド、FGノット、スナップやめてリング仕様、なんと竿も一緒、違うのはリールとジグ、そして「腕」だけである。
魚体が見えた!60センチくらいのヒラスかな。あと水面まで1メートル!
「ふわっ・・」
「ぎゃあああああああ!」
悲痛な叫び声が船上を駆け巡る!またバラしたトシオ!おめでとう!連続記録更新だ!6連続バラシはマジすごい!
しかしこれは成長である。今回はなんとジグが無事なのだ。だいたいラインが切れてジグ無くすくせに、無事にジグパラ(セミロング)の堂々たる帰還である。
「もう午前中はダメばい」
「なんで?」
「いつもこんな感じ。いきなり来てあとはさっぱり」
つまり、トシオの予想というかトシオパターンはこうだ。開始早々掛かるけど、その後さっぱり、という事。
なんとなく言ってる意味もわかるけど、私を巻き込むのはやめてくれ。私は釣りたいのだよ、トシオよ。
そのトシオパターンが的中した。マジで釣れない。
「はあ、コレ、マジか」
「うん、もう午前中はダメばい」
じゃあ昼飯食うか。とか言ってたら昼前にまたトシオ!
「きたああ!」
今度は逃がすなよおお、なんか釣り上げないと私も釣れる気がしない!
「ふわっ」
「ぎゃあああああ!」
今度は切れた!www痛恨のジグロスト!7連続バラシ記録更新おめでとう!wwww
「魚、すくってくれよおお!」
まだ海から顔も出してないっつーの。そんなのすくえるかよ、バカチン。
アシストフックのリードが短いんだよ、お魚の口元がリーダーに近すぎるからけっこう切れちゃう。サワラとかね。それをなんだ、私と行ったら魚がバレるとか相性悪いとか色々言いやがって(笑)
とか言ってたんだけど、そういえば、あれ?ピラニア先輩は?
あ、まだ撃沈してた。
ずっと寝てる。大丈夫かなあ、とか思ってたらごそごそ動きだしたぞ?
え!?釣りするんすか?そんな状態じゃジギング無理っしょ。という事でピラニア先輩はただ巻くだけのインチクにチェンジ。そんなピラニア先輩がいきなりなんかもぞもぞなんか巻いてる。あれ、竿が曲がってるぞ。
青息吐息、瀕死の状態のピラニア先輩に何かヒットしている!必死で巻くケナゲなピラニア先輩、間違いなくこれは根魚だけど、こいつは間違いなく今年を占う初釣りの獲物だ!
もうすぐだ!と思った瞬間、私の竿が重くなる。
(あ、やば、これ、おまつりだ)
私のラインにどうやらピラニア先輩の仕掛けが絡まってしまった。仕方ないので巻き上げるとその先にはピラニア先輩のインチクに掛かったアコウ(小)がいて、なんと私が釣り上げてしまった結果に。
フラフラと立ってるのがやっと、死ぬ気で釣りを決行したピラニア先輩の獲物を横取りした形になった。
2018年:ピラニア先輩、横取りされる
2018年:私、横取りする
2018年:トシオ、やっぱりバラす
いやいやいや、ちょっと、こんなのキャンセルしよーぜ!なかった事に!という事で
やり直しで満場一致。全員一致の意見として釣り再開。初釣りはこれからだぜ!
・・・しかし釣れない。そしてピラニア先輩、再び退場。巣穴へ帰って行った。
そして風も強くなり、白島沖から撤退する事に。
「藍島沖で根魚でも釣ろうかー」
という事で藍島沖まで戻るとピラニア先輩が起きてきた。
顔色は・・・おお、なんという事でしょう。いっそう悪くなっている!
ほとんど寝てたのに!釣りに来て、一切釣りをせずに寝てしまい、そのまま港に戻ったのは「イカゲソ先輩」くらいかと思っていたらこの屈強な男★「ピラニア先輩」もそのコースだ。まあ、アコウ釣ったけどね。
ごそごそと起きて来て、胃の中身をエロエロエロ~とリバース、撒き餌を海中投棄、その時。
・・・大きな揺れが!
「ぽちゃん」
「???」
ぼーっとしているピラニア先輩、その視線の先には・・・。
「ちょっと待って!あれ・・・」
「ピラニア先輩の財布ぢゃねーーか!!!」
「周囲確認!エンジン始動~!!!!!」
波間に揺られてゆらゆらと頼りなく浮いている黒い物体はまさしくピラニア先輩の財布!一緒に落ちたホッカイロと一緒に波間に揺れている。
幸い、そのホッカイロの黄色が目印となり、おおよその位置検討は付くが、なかなか風も強く流れも速い!!!!
「トシオ!見失うなよおおお!」
ぼーっとしているピラニア先輩は役に立たない。そんなことよりもまずは要救助者(サイフ)の確認!
「左前方30メートル!!(目印の)ホッカイロ発見!!!」
「どこどこ?わからんバイ!!」
「アレだ!黒いヤツ!」
「わからんバイ!」
「左舷、ドンピシャ付けちゃるけん!」
「わかった!w」
私とトシオもけっこう長い付き合いだが、こんなに盛り上がったのはいつぶりだろうかw
しかしながらびゅおおおおおおおお!と吹く風、関門の西流れ8ノットの影響でかなりの操船技術が要求される。
エンジンのプロペラに巻き込もうものなら貧弱な浮力でかろうじて浮いている財布などひとたまりもないだろう。
日頃、社長の指導で磨いた操船技術が役に立つ時が来た!
ドンピシャ左舷、トシオが構えるタモまで財布がストレートに吸い込まれていく。トシオ、ナイスランディング。つまり一発で勝負が決まったのであるが・・・。
財布にはiPhone、クルマのキーレスまで入っており、iPhoneはもちろんお亡くなり。
キーレスはなんとかなりそうだけど、無くしてたら超面倒な事になるとこでした。
新春初釣り。
魚は釣れず。
酔った原因、福袋?
救った財布、プライスレス。
翌日。
「おかげさまでiPhone10になりましたあ!^^」
ピラニア先輩、今度は落とさないでね。
生活防水あっても海水はダメよ。
しかし釣れん!トシオとは相性がわるいぜ(笑)
しかもトシオ、小さいけどこんなの一匹だけ釣りまして、このドヤ顔。やべえ、ボウズ、私だけやんか・・・。3回くらいジグに魚が触ったけどフッキングせず。ああ、つらい。マジで腕の差とか言われたらもう立ち直れない。もう当分行かん。
おわり。