北九州市・下関市~関門ジギング~

これは「サラリーマン人生」を掛けた釣り物語。ジギング1本で社長と対決、ハードコアなリーマン人生を追った。

イカゲソ先輩の実力(イカ釣りミッション2018.夏)

2018.8/3

今年も社長・イカゲソ先輩・私の3人でイカ釣り大会の開催だ。夜釣りとなると毎回限られたメンバーとなってしまうがこれはこれで仕方ない。なぜならば「経験」がモノを言う世界であるのは否めないからだ。「一晩中イカ釣りをした経験」「朝日を拝みながら帰った経験」「真っ暗な海で一晩中揺れた経験」これらの経験すべてがモノを言う。その厳しさはまさに女子供はすっこんでろ、などと先日、愛する妻に叱られてしょんぼりだった私が凄んだところでなんの説得力もないけれど。

昨年のイカ釣りは地獄だった。まさに修行、いやそれこそ荒行と言っても過言ではない。
睡眠不足で徹夜上等、うたた寝など言語道断、先に目を閉じてしまった瞬間に敗者となり、この先1年以上は「社長より先に寝たヤツ」とレッテルを貼られてしまう緊張感の中、「ちょっと寝た方がいいんじゃないですかあ?」「いやいや、お前の方こそちょっとくらい寝たらどうだ?」という激しい攻防戦を繰り広げたのち、ガマンの限界を迎えたイカゲソ先輩がやっぱり寝てしまうというオチも毎回の事だがそれくらい厳しい環境下におかれる釣りなのだ。


「朝まで行くぞ」

もちろん今回も基本スタンスは変わらない。基本は「朝までスタイル」だ。とにかく社長の元気さと言ったら間違いなく同年齢でもズバ抜けているだろう。一回り年下の私が舌を巻くほどだ。
しかしながら今年の夏は暑く奪われる体力も半端じゃなかった。いくら夜は涼しいと言ってもこちとら中間管理職のサラリーマンだ。毎日夕方になるまでめいっぱい仕事をし続けた金曜の夜はカラカラに乾いたセミの抜け殻同然、にもかかわらず夏バテで食欲がないくせにぶくぶくと太ってしまった私やイカゲソ先輩にはいつも通り厳しい戦いが予想される。

 

仕事終わりに会社を飛び出し、いざ出港。さらば~地球よ~旅だーつ船わあああ~と宇宙戦艦ヤマトの主題歌を絶叫しながら出港。再びこの港の地を踏めた時はいったいどんなドラマが起きているのだろうか。必~ずここへ~帰って~来ると~手を振る~人に~笑顔で応え~

 

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さて。波もなく順調に船はポイントに到着。今回は白島沖の「コ瀬」の先っちょ辺りでうろちょろする事に決定。そしてまずは明るいうちにジギングだ。私と社長がジギングでイカゲソ先輩がインチク開始。
夕マズメってあまり良い記憶がないのでぜひとも大物を釣りたいところだけど、そんな希望もむなしく魚の気配など全くなし。早々に飽きてしまった社長がイカ道具をセット。イカゲソ先輩のインチクもまったくダメ。

でも諦めない私はひたすらジグを動かしていたら、ガン!きた!

時折、ぐいっぐいっ!と引いて、なんか重い感じ。ぐいっぐいっ!あ~重い。あ、これって。

 

 

 

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うん、やっぱりヒラメだ。とっても小さいけどジグでヒラメが釣れたら大変うれしい。青物と違って一発勝負だもんね。

 

 

 

その後、イカゲソ先輩も真鯛(小)を釣り上げ、私のジグに2回ほどアタリがあって魚釣り終了。

 

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気付けば日も沈み、辺りは真っ暗、ついに怒涛のイカ釣りに突入する事になる。

 

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イカゲソ先輩の実力 

とにかくイカゲソ先輩が絶好調だった。ヤリイカが放つイカスミ砲を全身に浴びてもビクともしない。前回のイカ釣りでイカにもぐもぐ、かじかじと指を噛まれた結果、イカ恐怖症になってしまったイカゲソ先輩は軍手を準備。釣る→捌く→ジップロックに入れるという作業をもくもく順調にこなして行く。しかしなぜだろう?社長と同条件で釣っているのにもかかわらず、イカゲソ先輩の置き竿に次々にヤリイカが掛かっていく。

 

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「ピンクと白の差かなあ?」

社長がぼやくのも当然だ。エギの色は違えどお互いエギを5本掛け、タナもだいたい同じなのに2対8くらいの割合でイカゲソ先輩が優勢だった。一方、私はイカメタル(重たいエギ)で底から少しずつタナを探っていくが、見事にノーヒットノーラン達成。イカって釣れないとホントにつまんないや。


そしてボチボチのサイズのヤリイカを捌き、イカ刺しだ~としゃれ込んだところで晩飯タイム。サンリブで買った総菜と一緒にいただいたのだけど、やっぱり釣れたて船上イカ刺しは最高です。イカウマー。

 

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(7月の上旬も行ったけど、その時より確実に2~3センチ大きくなっている印象。)

 

そしてようやく社長に当たったイカがこの日最大のイカスミ砲を炸裂。プロのスナイパーもうなるほど見事な照準で放たれたイカスミ砲はものの見事に釣った社長にクリティカルヒットwかくして社長の真っ白なTシャツがイカスミまみれで大爆笑。

 

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そうこうしているうちに真っ赤な半月が地平線から姿を現し、高高度へ登った辺りからイカの気配がピタリと止まる。何もかもが止まると同時にご飯を食べて満腹となった私達に猛烈な睡魔が襲い始めた・・・。

だんだんと無言になって行く我々。テンションが高いとなかなか気付かないものだが、蓄積された披露と睡魔はしっかりと我々のカラダをむしばんでいていた。そして全くの無言になっていたイカゲソ先輩は確実に寝ていた。(と思う)

 

「寝てるんかー!?」

 

「え!?あ、えお、起きてましゆよ!」

 

・・・.うん、間違いなく寝てたなw

 

「釣れるかー?」

船の先端で釣っていた私にも社長からお声をいただくがイカメタルはまったく快音響かず。丁寧に底を取り、1m刻みでタナを探っていたのだけど、根掛かり以外にまったくアタリなし。つまりぶっちゃけ飽きていた。だって釣れないんだもん。アラとかは夜行性だし、たまに太いアラが釣れるからジグに変えたりもしていたけど、もうね、つまりまったく魚なんかいないのだ。こんちくしょー。

「飽きましたー!」(もう帰りましょー!)

という私の悲痛の叫びが届いたのかどうかはわからないけど、社長もなんだか諦めモードのご様子。

「とりあえず集魚灯、上げますね~」

私が取った行動は半ば強引だったかもしれないが結果として良かったのかもしれない。さっきまで寝ていたイカゲソ先輩もそれに呼応するように片付けを開始し、エギを外している。

「おい!あれ!」

魚探を社長が指さしている。片付け開始した早々、それまでほとんど役に立ってなかった魚探に反応が出ていた。

 

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「私はやる。釣るぞ!」

社長に再びスイッチが入る。よし、ならば私もやりますよ!こいつらにイカが付いているかどうかはわかんないけど、そこに反応があるなら投げ入れたいのが釣り人ってもんでしょうと言わんばかりにイカメタル投入。もちろんイカゲソ先輩はすっかり道具を片付けていたので参戦せず。

 

「・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

釣れない。まったく釣れない。ところで魚探の「魚マーク」って本当に魚なのだろうか。

 

「反応はクラゲじゃないの?ほらほら」

 

海を漂うクラゲを見てイカゲソ先輩が無邪気に魚探のマークは「クラゲだ」「クラゲだ」と言い張るが、いったい何を言っているんだこの男は、と思ったけどマジで魚マークはクラゲじゃねえのかと疑いたくなるくらいナニも釣れない。つーか冷静に過去を振り返ってみても、魚探に反応があったところで釣れた試しがないのだ、本当のところ。

 

「帰るかあ」

 

幼少の頃より視力1.5をキープし続けている43歳の私。さらに船舶免許を取得して3年ほど海に出まくったおかげでなんとなく身に付いた海の交通ルールと地形の把握。そして今回は半月だけど月夜だったおかげでぼちぼち明るいのも幸いして地球の運命を背負ってイスカンダルへ向かった宇宙戦艦ヤマトはたいした成果も出す事が出来ず、あっさり陸地へ引き返す事になったのである。

 

結果、ヒラメ(小)鯛(小)イカ8~9杯という結果に。 

 

朝日を拝むまで帰らないぜ!いや帰りたいけど帰れないぜ!生き残りを掛けたオトコとオトコの意地の張り合い。そんな時代錯誤なイカ釣りはそろそろ卒業して、大人のイカ釣りをしましょう、そうしましょう。

 

しかしイカゲソ先輩、なぜだかイカはよく釣っちゃうんだよね、なぜだろう?

 

おしまい