【実釣編】オモックで釣ってみよう!オモックの破壊力
10/5 蓋井島の右上の方(北東部?)
オモック・・・それは自尊心との戦い。
その自尊心が懐疑心にジワジワと支配されて行き、次第に自分を見失って行く感覚に襲われる。
(これはオモリじゃねえ。ジグだ、タイラバだ、インチクだ・・・)
「おーう、釣れるか~」
「全然っすねえ・・・」
(社長すら私はとっくにオモックを諦めてジギングをしていると思っているぞ!)
魚の気配もなく、全体的に渋いスタートであったが、忍耐、とにかく釣りで必要なのは忍耐。
(釣れないなあ・・・)
(あれ・・?オモリと針?)
(はっ、これ、オモックだった!)
いかんいかんぞ、私!
「きたああああ!」
歓声が上がる。歓声の主は私ではない、今日は私の磨きに磨き上げたタックルと必勝パターンのジグを託した彼。そうそれ即ち、今日のオモック対決の相手に選んだ釣りは3回目くらいの「顔面くん」である。その彼がヒラメを釣り上げる。
「おお~!やったな!ちっこいけどな!」
(ようやく1匹か・・・しかし明らかに今日は渋い。しかも青物ではなくヒラメスタートとは・・・)
渋さを察したのだろうか、社長とピラニア先輩の「ジギング疲れた」チームは青ケブとアサリで五目釣りを始めてしまった。
「うはは、キタキター!」
「こっちも!」
・・・大変楽しそうである。五目釣りでフエフキダイが連発している。
「ちっちゃ!それちっちゃ!」
「いいもん!なんでも釣れりゃ!」
大変楽しそうである、こっちの気も知らずに!
こちとらオモリで釣ってんだぞ!
「わはは。また一荷だぞ~!」
「こっちもなんかキマシター!」
「いいアコウじゃないか!」
「これ高いっすか!?」
「高い高い!w」
(くそう!俺はオモリで釣ってるんだぞ!)
いかんいかん、オモックはオモリであってオモリじゃない。これはオモリに針を付けたオモックという今話題のオモリなのだ!そこんじょそこらのオモリとはワケが違うのだが見た目はただのオモリであってオモリじゃない。400円の材料代と貴重な昼休みとハリガネを使ってシコシコ作業したオモリじゃないか!見た目はオモリでもきっと何かが違うのだが、ただのオモリと違いは見当たらない普通のオモリだし、つまり、えっと、その、やっぱりこれはただのオモリ・・??・・・そうか!やはり君は・・・君はただのオモリなのか!?というかむしろこれは・・・・魚釣りと呼べるのかあああああ?
はあはあ、もう神経がやられそうだ。エサがついてない針で釣れるワケがない。それと同じ道理でオモリで魚が釣れるワケが・・・。これはもう魚釣りではなく、ただ、オモリを上げ下げしているだけのムダな作業としか思えなくなって来るし、事実として2時間近く、オモリを上げ下げしている「釣りに来たのに釣りをしているように見えるだけのムダな作業を延々とやっているただのおじさん」ではないか。
顔面くんに私のジギングロッドを貸してる手前、私はキャスティングロッドしかなく、長く重たいロッド感も私の自尊心を遠慮なく攻撃し、容赦なく照り付ける太陽までもが私の気力を奪い、懐疑心が確信に変わって行く。
(・・・・!)
(オモリじゃ魚は釣れないのさ!)
(マジで飽きたああああああ!!)
(俺にも【魚釣り】をやらせろおおお!)
オモック、それはもはやルアーではなく、むしろ魚釣りでもない!オモックの出番があるとしたら「釣ってはいけない時」にしか使えない!釣りに来たのに釣ってはいけない・・・それはいったいどんな時なのだオモックよ!社長がボウズで私が爆釣してしまって気まずい雰囲気の時くらいしか出番がないという事なのか!そして万が一、そんな時にでさえオモックで釣れてしまったら私と社長の気まずさはいったいどうなってしまうというんだ!答えてみろオモックよ!
(オモック、これはかなりヤバいアイテムだぜ・・・・)
まあこんなので爆釣したら釣具屋さんは痛いよねw「釣り具のポイント」で釣りダービーが始まったのでデカいヒラマサ持ち込んで、「オモックで釣っちゃいました、てへっ」的なエントリーまで考えていたのだが、そんなムダな事はやめようと散々照り付ける日差しの中で考えた意義ある一日でありました。
おわり
あ、私はその後のジギングでブリを釣って満足、顔面くんが70オーバーで元気ないい面構えの大鯛を釣り上げ、今日の竿頭は顔面くんでした!
ちくしょう、竿とリール返せw
あ、オモックで心が折れててもなお、顔面くんの切れかかったリーダーを発見してカットしてジグ付け替えてやった直後に大鯛が釣れたという証拠を残すやさしい私w
(腹が出てないので採用しました。私、顔のシミがマトウダイみたいだな~)
おわり