ヒゲがアレなあの人が帰ってきた。95センチ8.4キロ
3/1(日)13:30出船
蓋井島北東部にて
ヒゲがアレでアレもヒゲ、えっと、現地な方ですか?的な雰囲気を醸し出すオトコが久々に北九州の本社に帰ってきた。
「今どこですか~?」
「アメリカでーす」
「今どこですか~?」
「台湾でーす」
「今どこですか~?」
「ドイツでーす」
などと、「どこにいるかわからない」がモットーの弊社が誇る隠密行動のスペシャリスト、「ニンニン」である。
東京湾の乗り合い船で100キロの前後(本人談)のマグロを掛け、40分の格闘の末にバラしてしまうという周囲に迷惑極まりない必殺技を持っている。
(一回数万円する乗合いマグロ釣り船は誰かがヒットしたらその間は仕掛けを回収して待つルールらしい上、高い料金を払った気性が荒いおっさん達が大量に乗り込むらしいからそのプレッシャーやコワさは想像以上だ)
ニンニンの娘さんの卒業式が当日お昼12時まであり、それからバタバタ着替えて港に集合というハードスケジュールである。翌日には東京に帰ってしまうから無理矢理でも釣りに連れて行こうという社長のやさしい配慮で13:30出船となったのだがこれが意外にゆっくりしていいかもしんない。うん。
14時ジャストくらいに蓋井島のいつもの場所に到着する。夕方から風が出る予報だから賞味2時間ちょっとという時間の為、私もジギングで参戦することにした。
(前回、キャスティングでボウズだったのでとにかく魚を釣りたかったのもある。うん。)
私はタチウオパターンの100gジグ、社長は60gの軽いヤツ、ニンニンはボーズレスのチタンジグ(高級品)を社長から借りていた。
「おい、全然釣れんぞ~」
開始早々、社長からのお約束トークが炸裂する。魚が釣れないのは全く私のせいではないのだが、思わず責任を感じてしまうのが悲しいサラリーマンの性ってヤツだ。
しかし今日の私は違った。
(今は満潮ど真ん中、もうすぐ潮が動き出すし)
(今日はジグだし、キャスティングよりはマシだから)
「いや、釣れるでしょ~」
確かに開始1時間、全員なんのアタリもない。エソも釣れない。しかし今日は釣れそうな気がするのだ。なんつってもジギングだし。
(グッ、グッ、こいこい、グッ、グッ、こいこい、グッ、グッ・・ブル・・・)
「触った!」
しかしながらバイトに至らず、そのままグッ、グッ、グッ、グッ、グッ、
こいこい、グッ、グッ、こいこい、グッ、グッ、
くそ~、ダメか・・・ダメ・・、グ、ギュワ――――!
「食っとわああああ!」
ギュワ―――――と引き出されるドラグ、あはーん最高~^^と思いながら最近ようやく慣れてきた左巻きでもボチボチの相手とも対処ができるようになってきた。
「大鯛か?」
「いや、走りましたから青物でしょー」
「重そうやのう」
「カンパチ様だったらいいなあ」
とは言うものの、元気だし頭も振りまくりだし重量感もあるがたまにズーンと動かないというか重くなるこの明らかにヒラマサやカンパチとは違う引き。
(ブリかああ、マサじゃないのかああ)
と多少がっかりしたところで社長からのゲキが飛ぶ。
「お前、絶対逃がすなよ!」
つまり、ニンニンへのオミヤゲは必要だし、釣り時間短いし、今までなーんも釣れてないので「最初で最後の1匹」の可能性があるのだ。
もちろんラインブレイクは魚の無駄死にとなるため是非とも避けたいところ。
「社長、タモ早いっすww」
社長が既にタモをスタンバイ。魚の現在地はまだ水深20mくらいにも関わらず私にプレッシャーを掛けて楽しんでいる。
それにしても頭フリフリ、元気で重い。まあまあのサイズなのは確実。でもPE3号、リーダー40lbだし、まあ大丈夫かなって思ってたんだけど、気掛かりがひとつ。
(アシストフック大丈夫かいな・・・?)
釣りが終わるたびに道具は水洗いする私。もちろんジグもしっかり塩抜きする。錆びたらイヤだし、なによりアシストフックのリード(糸のところ)を一番気にしている。
(サワラ釣ったのいつだっけ・・?)
洗うたびに「そろそろやべーかな」と思いつつ交換していなかったアシストフックが唯一の懸念。
「でけー!」
ギラリと光った魚体を見てニンニンが叫ぶ。
「なかなかやのう!」
社長がタモを抱えて待っている。
「タモ、早いっすww」
まあ、無茶苦茶デカいワケじゃないけど最初の1本とすれば上出来なサイズ。
船の下にいきなり猛ダッシュで潜られた時は超絶焦ったし、そんな時はまだまだ左巻きじゃ対処がヘタクソだったことと長めにとったリーダー40lbに助けられたのもラッキーだった。船底で擦れてたし。
さて、無事にランディングしたブリがこいつです。
そしてアシストフック、1本切れてたあああああ。あぶねー
その後、ヤズの群れに当たったようで、社長とニンニンにもヒットが連発し始める。
そしてさすがはニンニン。社長とダブルヒットしたのだが、明らかに社長より重そうな引き。
フロントとお尻に付けたフックに見事2匹掛かっているwwwフックにはまだまだ余裕があるから3匹以上狙えたのにwwwしかしここでやってのけるニンニン、これぞ「忍法ニンニンダブル」である
「ラクして釣るのう」( ̄ー ̄)ニヤリ
弊社の社是、理念、モットー、スローガン、合言葉である「ラクして釣る」の真髄が垣間見えた気がしたがこのニンニンはそれだけではなかった。
ニンニン、ジグを投入し数メートル巻き上げたところでコーヒー休憩。
~数分後~
「・・・ビクンビクンビクン」
「おい!来てるぞ!」
上がってきたのはアコウだった。
ニンニン置き竿ジギング
「社長、、これはもしかして・・・」( ̄ー ̄)ニヤリ
「ああ、ラクしてるな」( ̄ー ̄)ニヤリ
船の揺れもあるから思わず食いついたのだろうけど、やはり落としておけばそれだけチャンスが広がるという事だろう。
ただ、とにかくラクしたいからといって超ライトタックルを好む社長からしても実り多き一日であったに違いないw
さて、16時を超えたあたりから強烈な風が吹き出し、アタリも止まって帰港となる。
さっきまでスーツ着て娘さんの卒業式に出てたかと思えば昼過ぎには乗船し、夕方には帰港、さっさと捌いてブリシャブパーティ、翌日は東京である。
本当にすごいねニンニン。
おわり