北九州市・下関市~関門ジギング~

これは「サラリーマン人生」を掛けた釣り物語。ジギング1本で社長と対決、ハードコアなリーマン人生を追った。

高級大人のおもちゃ

 2018/07/07

これはまさに大人のおもちゃ。魅惑のおもちゃである。

 

むいいいいいいいいいいん!

 

時には激しく、プルプルプルプル・・・とソフトな動力も兼ね備え、二人っきりの時間を熱く過ごしつつ、「俺たちって夏してるぜ!」って雰囲気もさることながら、おふざけにもちょうどよいくらいの垂涎モノのアイテムがついに我が鮮魚事業部にも投入された。

 

 

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●自重40kg

●スズキ製4スト2馬力エンジン搭載
(オール付き)

●シーアンカー(とても小さい)

●空気入れ(バッテリー直結の全自動でラクラク

●4人乗り(釣りはたぶん2名が限界)

 


プルプルプルプルプルプルプル・・・・・

 

むいいいいいいいいいいん!

 

と奏でる魅惑のエンジン音。ぶよんぶよんと力強く波を乗り越え、全身に水しぶきをビチョビチョになるまで浴びたカラダ全身で風を受けると一気に体温を下げてくれる。ヘタしたら夏でも寒いと感じるだろう。つまり間違いなく夏以外は絶対無理。

 

「のんびりちゃぷちゃぷ浮かんでトライアルで売ってあるような安いコンパクトロッドにオモチャのようなリールでキスでも釣って天ぷらにして食べるぞ」と言う、一般ピーポーでも普通に叶いそうで意外と叶わない壮大な野望を達成すべく投入されたこのゴムボート。私がもう10歳も若ければ若いおねーちゃんたちと一緒にチャプチャプと狭いゴムボートの上で遊んだりするには最高だろうなあ、なんて思っちゃうけど忘れちゃいけない、目的はキスのフライだ。あくまで魚釣りだった。いかんいかん。

 

なめていた自重40kg

「所詮、ゴムと空気っしょ」

と舐めてかかった初出船の日、社長のガレージからボートを引っ張りだし、海岸に浮かべようとしたのだけど、それがとにかく超大変。ボートを人力で持ち上げて、防波堤を超えないといけないのだが、とにかく船が重い。新品ボートに傷を付けたくないし、気合で持ち上げるも社長と私の二人だとなかなか骨が折れる。

ヒーコラヒーコラ言いながらなんとか海に浮かべたのだけどそれだけで全身汗だく、もうヘトヘト。次回は近くの川が海につながっているので、その橋の上からボートをえい!っと落としましょう!と提案したのだけど受け入れられるかどうかは微妙である。

 

ぷるぷる出動!

「むいいいいいーーーーーん!」と出発だ。なかなか軽快に走るボートでいよいよキス釣り開始。水深は2~3mくらいの超お手軽キス釣り。青ケブを付けてイザ開始!バタバタとキスが釣れると思いきや・・・。

 

・・・釣れないw

 

あれ?キスいないの?10センチ前後のハゼが釣れただけで何も釣れない。ありゃ、これは想定外だぜ?

 

「参りましたねえ」

「ちょっと・・・違うのう」

 

このちょっと違うってのは色んな意味が込められていると察した。想像以上にお手軽じゃなかった事が最大の要因だと思われる。つまり近々、「おう、このボート、メルカリで売っとけや」となる可能性も高いって事だし、いつも乗ってるプレジャーボートの方が遥かにラクで気楽だという事を改めて知った事に他ならないからだろう。たぶん。つまりこのボートの命運は「橋の上からえい!っと落としてラクちん出港」+「キスが釣れる」かどうか、に掛かって来たようだ。

挙句の果てには防波堤でタコ釣りをしていたおっちゃんがどんどんタコを釣り上げている。「ボートに乗ってちゃぷちゃぷする意味」も要検討段階に突入だ。

 

大物到来(ゴムボートにしては)

その矢先、私の竿がぐいいいいん!と曲がる。なに?魚?と思ったらけっこう引いてるぞ?やったやった!なんだかわかんないけどこれはスゴイぞ!

「おう!お前すごいやんか!」

社長が叫ぶ。

 

「お前!絶対にあげろ!無理するな!」

 

「すっ」

「どうぞ」ニッコリ(^^)

 

ハゼしか釣れてない社長に竿を託し、この魚とのバトルを社長に預けた。

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せっかくボートを買ったんだし社長にはぜひとも楽しんでいただきたいのだ。そしてハリスは1号の小物用だし、竿を託したからにはここから先はバレてもぶっちゃけ私のせいではないし、写真撮りたかったし、さっきはちょっとした根掛かりでハリスが切れちゃったくらいの仕掛けだし、バラしたら「このヘタクソ!」と言われるのは目に見えているし、タモなどないから私が素手でランディングしようという思いもあった。つまり、竿を託した行為に下心などは一切なく、こんな貴重な経験をさせてくれる社長に対し、感謝の気持ちでいっぱい、そして見事に釣り上げてもらいたかったのだ。ぐへっへっへ。

 

上がってきた!根魚だとは思っていたけどこれはなかなか立派だぞ!こんな水深2mくらいのところにいるとかちょっと似合わないぞ?

「タモないぞ!」

「素手行きまーす!」

昔、雷魚を釣っていた要領でエラに指を突っ込む。口回りは針があるから怖いのだw針が刺さった上に魚が暴れて最悪な自体になった事があるからだw

無事にゲット!

 

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なかなか立派なアコウちゃん♪

その後、ちょっと沖に出て流すもキスらしいアタリはあるけどなかなか釣れない。ようやくキス(小)を釣ったけど、キープするレベルでもなくリリース。そうして初の「ボートを浮かべてちゃぷちゃぷキス釣り」は幕を閉じた。

 

半端ない日焼け、奪われた体力、釣れない魚。

しかしながらボートでちゃぷちゃぷの経験、これぞまさにプライスレス。

 

「おう、次はタコやろうか」

「え?それなら防波堤でよくないです?」

 

おわり