北九州市・下関市~関門ジギング~

これは「サラリーマン人生」を掛けた釣り物語。ジギング1本で社長と対決、ハードコアなリーマン人生を追った。

死亡フラグが立ったと自覚した瞬間

折尾愛真高校(当時:折尾女子高等学校)の隣で生まれ育った私は折尾愛真幼稚園出身で、その女子高生たちに可愛がられながら幼少期を過ごし、社会人になると福岡市南区沖学園近くの会社に勤め、会社帰りには、夜遅くまで練習している沖学園野球部の高校生たちを横目に見ながら帰宅し、その後、北九州に戻れば折尾愛真高校の野球部と仕事上でご縁をいただき、そして同時期になぜだか偶然にも私の父まで別ルートから折尾愛真野球部からご縁をいただいた偶然にも程がある今回の甲子園出場は親子そろってまるで母校のように大喜びさせていただいた。そして私は現在、下関国際高等学校の近くに住んでいて、今年の甲子園は応援できる高校が3つもあって大変おもしろい。そんな高校球児たちが熱い戦いを繰り広げている一方、私にも「死亡フラグが立つ」ほどの戦いがあった。ここに高校球児とともに私も戦った記録を残しておきたい。

 

相手は自然の驚異、台風である。

台風13号の「サンサン」は九州に恐れをなしてか関東へ突撃、続く14号「ヤギ」も九州上陸を断念、九州を避けるように中国大陸へ飛び込んで行った。

※九州にビビったサンサン↓

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暴投を連発するピッチャーのように、ストライクゾーンへの制球力を失った今年の台風チームは矢継ぎ早にリリーフ投入。そして今度は15号「リーピ」の出番である。サンサン先輩を見習って関東方面へ行くのかと見せかけてはいきなり進路変更、カーブの軌道をシュートに変えて一路九州へ。その後はジグザグな進路変更を繰り返してまさか北九州エリアを直撃するとは思わなかった。しかしながら急な進路変更は体力の消耗が激しかったのか、勢力としては996hPa、もうじき1,000hPaへ到達し、それはもはや台風ではなく所詮ただの風、ちょっと強い風レベルだろう。クソ暑い毎日にちょうど良いレベルだと決めつけて今回も船は上げない判断を下した。

※前日16時、最終判断時点の画像。もうじき1,000hPa到達だ。

 

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台風15号
名称 LEEPI(リーピ)
大きさ ---
強さ ---
存在地域 宮崎市の東南東約290km
中心位置 北緯30度55分
東経134度10分
進行方向 北西
速さ 30km/h
中心気圧 994hPa
最大風速 中心付近で25m/s
最大瞬間風速 35m/s
暴風域
(25m/s以上)
---
強風域
(15m/s以上)
東側280km
西側170km

 


だけど油断は禁物だ。7/4.5に上陸した台風7号「プラピルーン」。偶然にも「雨の神」と言った意味をつけられたこの台風があの「西日本豪雨」を引き起こしてしまった。
※ちなみに台風の名前は『台風委員会』があらかじめ決めていた名前が140個用意されていて、発生順につけられます。


死亡フラグを自覚した私

そのブラピルーンとの死闘がひっそりと行われていた事は誰も知らない。勢力は965hPaとギリギリ耐えれるレベルかと思いきや、船の左舷ロープを引きちぎってしまっていた。(元々切れそうなロープではあったが)ここで私は強風の中、切れたロープで船と岸壁を固定するミッションが発生した事に気付いた。

まずは状況を社長にメールで報告。

※ちなみに辺りは真っ暗、もちろん誰もいない、暴風の夜の海に私一人である。映画やニュースなら間違いなく死亡フラグが立つ、「こいつ、絶対アレだろ」状態である。

とは言え、たいした作業でもないし、まだ風も雨も大した事もない。切れたロープを手繰り寄せて船に固定しただけ。一人だし、暗いし、これぐらいしかできることはないけど、サラリーマンのくせに風で揺れる船の上でロープと格闘している自分に酔ってる可能性もあるが「ちょっといい仕事したぜ!ふっ」とか思いながらミッション完了。さあ、愛する家族が待つ家に帰ろう。

 

自宅まで帰っている途中に社長から電話が入る。

 


「もう1本(ロープ)結んどいて」

 


・・・・再び真っ暗&暴風&雨が激しくなった現場にUターン。

 

※この時点で「ちょっと田んぼ見てくる」と言い残した方々となんの違いもない。

 

今度は風も雨も強くなっていた。ほんの数十分の間に「プラピルーン」の暴風域に入ってしまったようでまるで映画のワンシーンだ。きっと映画の観客は「行くな!お前はバカか!」とか「こいつ絶対にやられるのに何で行くかなー」とか思わせるシチュエーション以外のナニモノでもない状況になっていた。

カッパを着なおし、揺れる船へ乗船を試みる。左右に暴れる船を引き寄せ、岸壁のタラップ(はしご)から船へジャンプ!おっとっと。カッパは来ててもこちとらスーツに革靴、これだけでも立派な死亡フラグだぜ(笑)

万が一、ロープが切れて船が一人で出航してしまった日にはここはマラッカ海峡マゼラン海峡と並ぶ世界でも有名な難所中の難所。狭い水路に大型外国船の船も行き交うこの関門海峡でフラフラとプレジャーボートがどんぶらこっこと散歩を始めてタンカーとかにぶつかったりしちゃってオイル大量流出&炎上で海域の生物の死滅とかなったら賠償責任なんてとんでもないものになるんじゃないの?とか思っちゃうから船のロープはなめちゃいかんのです。多分。

さて、とは言え、追加でやる事はカンタンで船倉から予備のロープを取り出し、船の左舷と岸壁を固定するだけ。ちゃっちゃと結んで終わりにしたい。だって間違いなく死亡フラグが立っている状況だもの。

一応、ちょうどその時やり取りしていた関東の同級生に「ちょっと船見てくる」と冗談半分でLINEで伝えていた。「おいおい~田んぼは行くなよww」とか言われながら「ついでに田んぼも見てくるわ~ww」って返してから連絡するのを忘れていたし、おかげでどれだけ心配された事か。ごめんね。という事でちゃっちゃとロープを結んでミッション終了。これで朝起きたら船が無かった!って事にはならないだろうし、つーかぶっちゃけこのブログでも若干大げさに書いているし、実際は危険を感じなかったレベルなのであしからず。わはは。みなさん、ただどんなに船が心配でも「ちょっと船見てくる」はやめましょうね。


台風メモ
通過している時の状態。けっこう船は揺れていたです。1,000hPa超えても突風はすごかった。

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1004hPa 熱帯低気圧
980hPa 弱い台風
970hPa 台風
960hPa 強い台風(台風9号、13号)
940hPa 半分猛烈な台風(台風5号)
920hPa 猛烈な台風(伊勢湾台風)
890hPa スーパー台風(日本に上陸したことはない)

 

以上、メモかわりに載せておきます。台風と戦うみなさん、ご参考までに。

 

 

あ、また発生しやがった・・・。19号と20号?

 

今度はデカいな、船は上げましょう。