カッパ隊員、登場
【彼の信条】
それは「顧客満足度200%」
前々職では営業成績全国3位。
将来を約束されたエリート人生。
「御社でお役に立てることはないですか」
「カッパ捕まえてきて」
「・・・・」
「カッパを捕まえてこい」という一休さんばりの無理難題を彼はどう解決するのか・・・。
自らカッパとなって自ら捕獲されに行く。
これが彼が出した結論だった。
(※某企業から画像入手)
果たしてこれがカッパかどうかは賛否両論あるが、いずれにせよこれで彼は一躍全国レベルに躍り出ることになる。
彼の偉業はこれだけではない。
【生ける伝説】
九州大会7連覇
超メジャーの某スポーツ界では知る人ぞ知るレジェンド。
スポーツや競技をやっている人ならなんかの大会で一度や二度は優勝したりしたこともあるかも知れない。
しかし「連覇」となると次元が違う。それが7連覇となると内村航平レベルの偉業である。
つまり彼は現役バリバリの高校生、大学生といった将来有望な若い芽をことごとく7年も連続で打ち砕き続けたのだ。カッパなのに。
さらに現在の彼は無報酬で平日・休日を犠牲にし、ジュニア世代の育成にも全力を注いでいる。カッパなのに。
そんな男がひょっこり7月末に入社してきた。
「今日、このあとバドミントンなんすよ。ジュニアの指導に行くんすよ。」
釣りの後もバドミントンの指導に体育館へ直行する猛者であるが彼の人生において、そんなに釣り経験があったワケではなく直近までほぼ初心者だったと言って過言ではない。
そんな彼も入社前から乗船を繰り返し、酔ったり吐いたり、戦ったり、日焼けを通り越してヤケドしたり、ずぶ濡れになったり、イカスッテが指にサクサク刺さったり、深夜の湾内に集魚灯を灯火して、船底に絡まったロープをほどこうとしてクラゲに刺されたり。つまり鮮魚事業部員として必要不可欠な修練を繰り返しつつ、入社直後に船舶免許を取得しおそらく1年も満たないうちに瞬く間に成長を遂げた彼は今や立派な鮮魚事業部員として船上員の命を守る立場である。
さて、彼の得意技は「イカ」である。
「イカのトラブルならだいたい解決できます」というワケのわからないセリフを吐きつつ、だいたいどこでもイカを釣り出す。
それが近場の蓋井島だろうが年1回程度の貴重な沖ノ島だろうがそこに海がある限り、彼にはイカしか見えていない。そう、イカは彼そのものなのだ。
「イカに逃げやがったなww」
一応、彼も魚を狙うのだが、とにかく不思議なほど、いや奇跡的に魚が釣れない。
その結果、「イカに逃げた」だの罵られても彼なりに辿り着いた結論がイカなのだろう。
個人的にイカ、とくに昼イカなど、私は大の苦手である。面倒な5本スッテを落として指にサクッとスッテ針が刺さりながら行うイカ釣りは本当に苦手だし、ジギングでしゃくってしゃくってガツンとキタコレうひょーーーー!!!が私の好きな釣りなのでイカは社長とかイカゲソ先輩が釣ったものを食べる事に専念している。釣りたてのイカはマジ美味いので応援だけ頑張ってだいたい誰かに任せているのはここだけの話にしておこう。
「アタリが私にはわかります」
確かにイカはよく釣っている。イカは忍耐、誘いも必要だがほったらかしでも釣れるので彼の性分に合っているのだ。
全九州7連覇を達成した気力・体力・精神力がここで効いているのだろう。
そして彼には戦友と書いて友、ライバルと書いて友、友達と書いてホモ、と言われても仕方がないくらい寝食を共にする友人がいる。
前回紹介した、大工の源さんばりに一撃19連エソを達成したかまぼこさんである。彼も有名なバドミントンプレイヤーである。
かまぼこさんも変態で、釣り前日、ワクワクで寝れない彼はタクシーを呼びつけ釣り具を積み込み、深夜の誰もいない漁港に到着するや我々のため(社長のため)に生きアジを釣る。結局、アジすら釣れず、いざ眠くなっても寝場所がない彼は船のデッキで寝ていると蚊の集団に襲われて死ぬほどツラい思いをしたのに「役立たず」とレッテルを貼らるがそれでもケロっとしている類まれなる強い精神力を持つ。
そんな二人が揃うと手が付けられない。前日夜から漁港でスタンバイし、張り切ってアジ子を狙うが結局二人がかりでも釣れないので、近くにいた人の良さそうな釣り人からアジをいただき、徹夜でそのまま船にて荒波に立ち向かっては寝不足で船酔いし、ロクに釣りもしないまま帰港する日々。
ある日は釣り後も家に帰らず再び港での船中伯を選択。ついでに船底に絡まったロープを取るべく集魚灯を灯して二人で仲良く深夜の海に潜水し、集魚灯に集まったクラゲに刺されながら翌日も釣りに行き、その後、二人でバドミントンのコーチをこなしたのち、家族サービスで大分サファリパークに行ったという全人未踏の記録も残している。もちろん家族同士も仲が良いので2家族でのサファリパークである。
「さすがに自分は気絶しましたけどねー」
「かまぼこさんはずっと遊んでましたよ」
体力はかまぼこさんの勝ちのようだ。
(バドミントン選手は変態)
私が彼らから得た人生の教訓は以上、である。
おっと、ここは釣りブログだったのでそろそろ釣りの話に。
最近のかまぼこさんは調子が良い。今年のアタリジグはどうやらロングではなく、ショートタイプ。
というか青物がほとんど釣れないため、そんな結果になったのだと思うけど、ひたすら体力ある限りジグをしゃくる彼に魚が釣れても不思議ではない。
私は基本的にロングジグ。青物に反応が良いとされるロング。デカマサの可能性を掛けて、とにかくロング。そしてたまにトップを投げたりするので、今年の釣果は今のところかまぼこさんに負けている気がする。
カッパ隊員は前述の通り、イカに人生の全てを掛けているが、魚を狙わないわけではない。むしろ感心するほどマメな釣りをするのだが・・・。
超面倒なのを苦にもせず、「エサ釣り五目仕掛け」が彼のスタンダード。上からキビナゴ、エビ、青ケブ、カニ、などありとあらゆるエサを付けて投入する様はもはやパチンコ店のバラエティコーナー。きっとどこかに設定6が隠されていると信じて釣りを続けるが、全台オール設定1など普通の話。つまり今までベラくらいしか釣った事がない。
※パチスロを知らない方への豆知識。設定6=まあまあ勝てる、設定1=負ける
※あ、奇跡的に沖ノ島でベラ以外の魚が釣れました。アカハタ。
どうやらバドミントンではカッパ隊員に軍配が上がるそうだが、釣りに関してはかまぼこさんの勝ちのようである。
今年の春から夏に掛けて本当に青物の反応が悪く、ヒラゴなどは多少は釣ったが例年以下。イカはカッパ隊員が頑張ったから例年以上。エソの全滅作戦もだいたい社長が頑張るのだけど、今年は社長とかまぼこさんがエソダブルスを組んだのでかなりのエソが釣れている。
さて、そろそろ季節は秋の気配。暑さも和らいで、いよいよ釣り本番ですね。この時期に釣らないとあっという間に極寒の冬に突入するのでそろそろ何か釣りましょう。
「今年、お前、もう終わったな」
今年一発目に釣った直後に言われた社長の一言。妙に当たる社長の予言。
ヒラマサの呪い(社長の呪い)が掛かっている気がする。
おわり