北九州市・下関市~関門ジギング~

これは「サラリーマン人生」を掛けた釣り物語。ジギング1本で社長と対決、ハードコアなリーマン人生を追った。

初クルーズ(ヒラス3.5本)


4/20(土)大潮
ついに出航となったニュー・Shachou号(社長号)。天気もよく風も弱い。朝はまだ肌寒いくらいの気温が丁度良く、絶好の航海日となった。Shachou号はすでにお取引先様の乗船予約(もちろん無料)も入っており、「接待船」となる運命が待っている。決して我々の魚釣り目的の為に購入したワケではない。これは「お取引様各社を接待するための船」、Settai号(接待号)なのだ。


まずは訓練
お客様を乗せ、マリンレジャーを楽しみ、無事に帰港する為にはまずは我々の操船技術を高める必要がある。命を預かる身である事を忘れてはならないので、ベテランの社長と私でみっちりと離岸・接岸の訓練を行った。みっちりやる事、一人2回ずつ。「もう大丈夫だな」「ですね。うへへへ」「行くか~」「ですね~。うへへへ」という事で次はマリンレジャーの訓練である。お客様も船に乗るだけでは満足しないだろうから素晴らしい体験をしていただかないといけない。とにかくさっさと行こう。


素晴らしい体験

「100mまで行こうか」つまり水深が100mになる白島の沖合(うんざりするくらい遠い)まで行ってみようという事だけどそれなりに時間が掛かりそうなので80mくらいのところでストップ。我々にはマリンレジャーの訓練をする時間が大変重要で無駄な時間と燃料を使うワケにはいかない。

 

予期せぬ出来事

お客様と行うマリンレジャーはおおよそ「フィッシング(魚釣り)」になるだろう。初心者から経験者まで楽しめるよう、私の本日の訓練はジギングである。社長はエサ釣りの訓練を行う予定でイカとサバの切り身でアラ狙いだ。
順風満帆に見えたこの練習だけど6カ月前から積んでいたカフェオレに当たったのだろうか、現場に着くや否や、道具を準備するよりも早く社長がダウンしてしまった。船酔いなのか食アタリなのかわからない上に電動リールのバッテリーも忘れてしまった社長は早々にマリンレジャー訓練から離脱。以前の船から積んでおり、新しい船に乗せ換えた半年前の乳製品、しかも船内で熟成されたモノは例えペットボトルでも気を付けないといけないという教訓を学んだ。カフェオレは甘くても海は甘くない、甘くないのだ。


水島へ移動
80mゾーンには訓練すべき相手(魚)の反応が薄く、場所を変える事になった。深い水深はダウンした上に電動リールのバッテリーをすっかり忘れてしまった社長には酷すぎる訓練な上、「運転したら治る」という社長の言葉もあって、水島に移動する事に。

 

水島での訓練

「来たぞ!」
「ああ!」
「バレた!」
「けっこうデカかったぞ!」

すっかり体調を戻した社長が相性のいい水島で訓練開始。社長もジギングだ。ホントに水島と相性がいい社長のおかげで訓練相手(魚)がいるって事はわかった。そうなれば私もマジメに訓練開始だ。

 

フラフラジギング

「止めている時に来た」という社長のヒントを頼りに色々と試す。ワンピッチよりもちょっと遅めでフラフラしながら止めて、ふう、と一息着いたくらいの時に「ぐるるるる!」というアタリ。70~80センチくらいのヒラスで、本当に水島は水深が浅いせいか、魚の引きがメチャクチャ強いので上げてガッカリって事がよくあるのがそれも水島だ。

 

 

 

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「私も止めた時に来ました~」

という事で今日はこんなイメージかなあ、とか思いながらフラフラ、ふう、フラフラ、ふう、フラフラ、ふう、ぐるるるる!ぐわ!という感じで2本目ゲット。

 

「社長、すんません!!」

「お前ばっかり!」

という感じで訓練が進んで行く。せっかく訓練に来たのにも関わらずまだ社長が訓練しておらず、今までまともに当たったのはカフェオレ(食当たり)くらいだ。

 

社長も訓練

「今年はまだロクなの釣っとらん」という社長に是非釣ってもらいたいところで空気を読んだのか元気なヒラスが社長にヒット!

「おおおお!よく引くな!」

「ですね!」

「うおりゃあああw」

「タモスタンバイ完了です!w」

魚影が見えたところでこのヒラスも相変わらず元気で右に左に走り回る。

「あ・・・・!」

「あーーーー!」

 

(・・・マジすか)

 

バレてしまった。社長、訓練達成ならず。

「あー、マジメにやっときゃ良かった~!」

「これだけ反応いいならまだまだ来ますよ!」

 

と苦し紛れに言ったものの、さっきまでワサワサと飛んでいた水鳥も次第に少なくなり、代わりに風も段々と強くなって来た。私もずっと頑張ってはいるものの、アタリも遠のき、たまに釣れる相手もアコウやアラ㈱と言った感じでちょっと青物が釣れる雰囲気ではなくなって来た。

 

世の中はタテ社会

「これ、ヤバいぞ!」

「またボウズかも!」

とか言いながら社長がタバコを吸いながらのんびりと休憩している。言動が合ってないとはまさにこの状態だ。確かにのんびりしたくなる船ではあるけども。

私は休憩などおかまいなし、フラフラジギングも飽きて、ワンピッチに切り替えた。やっぱり高速ワンピッチでガツン!と来るジギングが好きだし性に合っている。

 

(オラオラオラ来い来い来い来い!)

ガツン!

キタ━(゚∀゚)━!


「お前ばっかり!」

「タバコ吸いよったじゃないですか!w」

「そりゃそうかwww」

(おお、これも良く引くな・・・。えっと・・。)

「ちょっと貸せ!」

「どうぞ!」

接待船のクルーたるもの、自分で掛けた青物を竿ごと上司に献上する事など朝飯前だ。ある程度、根から引っ張り上げたところで社長に献上だ。次に掛かったら献上すると最初から決めていたのだ。信じるか信じないかはアナタ次第ってところだけど。

 

証拠を残させないプロ

「ホント元気がいいな!」

社長も今度は逃がすまいとさっきより少し丁寧にやり取りして無事にランディング。さっきと同じ、70~80センチのヒラスだ。

 

「写真撮りましょうか!?」

「いや、いい・・・」

 

(・・・う~ん!残念!)

(私の竿を奪って釣り上げた社長の写真を撮りたかったのに!)

 

などと思う事は断じてない。私は接待船のクルーなのだから。

「さっきのバレたのと合わせてちょうど一匹だな」

船まで寄せたにも関わらずバレたヤツと私の竿を奪って釣り上げたヤツを合わせて1本!にしたいとの事らしいけどホントにいいんすか?そういう事にしておきましょうか!?いや、ぜひそうしましょう!よっ!社長!ナイスヒラス!お見事です社長!今年初の青物ですね!これで今日はヒラスが3.5本ですね~。

 

「お前になんてブログに書かれるかわからんなw」

 

(ギクッ、チッ、お見通しか・・・・)

 

さて、その後もアタリもなく、帰港する事となった。だいたい今日は訓練だからこんなもので十分だ。

そしてタモが壊れてしまい、DIYするハメになったが、まあこれも鮮魚事業部の大事な仕事だ。ナフコに行ってボルトを買って、貴重な昼休みを利用して電気ドリルでさっさと加工してしまおう。

 

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海に向かってズボってアミが抜け落ちた時はビックリした。めちゃくちゃ作りが簡単だから同じヤツ使っている人はご注意くださいネ。

 

おわり