ビビビ!!Settai号(接待号)の実力。
5/25(土)
この日は某金融機関の超お偉い方が乗船する事になった。ビジネスの世界ならば私ごとき平社員が一生掛かっても一緒に釣りに行けるようなレベルの方ではないので失礼のないようにお相手させていただく必要があるし、全く釣れずに盛り上がらない、お土産もない、という状況だけは避けなくてはならない。
つまり、基本的には私は道具の準備がメインとなり、基本的にお客様サポートカスタマーセンター。そして魚が釣れない状況ならばお土産確保で腕が折れるまでジギングするという事になる。
「おはようございます!すごい船ですねええ!!」
お客様の登場だ。
「おはようございます!ええ、なにをトチ狂ったかこんなバカでかい船を買っちゃっ・・」おっとっと。
「何が釣れるんですか!」
「海藻とか!根掛かりがメインで!うひゃっひゃ・・・」おっと。
相手は貫目が違う大物だったのをすっかり忘れていた。やばいやばい。
「コレはうちの息子です!」
「おはようございます!息子です!」
おお~!なんて好青年!
息子君も某超大手通信会社にお勤めらしく、浅黒く焼けたすっきりとした顔立ちに背格好、明るく元気で人柄も良く礼儀もわきまえている。そしてそんな釣り初心者の彼が奇跡を起こす事になるとはお天道様はいつも見ているってところだろうか。
「モテるやろ?いひひ」
「いやいや、そんな事は!」
「で、コレ(彼女)は?何人くらいいるの?w」
「いやいや、近々結婚も考えてまして!」
私のゲスな質問にも明るくさっぱりと返してくる好青年とバカな会話をしながらカスタマーセンターの私は3人分のリーダーを結び、ジグをセットしている間に社長が運転する接待号は水深が浅くて初心者でも釣りやすく、さらに魚影も濃い「水島」へ到着だ。
「えっとね、まずジグを落として」
竿を渡す。
「ええーーわかりません、やってみてください!」
竿を返される。
「ジグが底に着いたら糸がフワってなるやん?」
「そしたらなるべく早くジグを動かして・・・」
「こんな感じで」シュッシュッシュッ・・・・ガツ!
「ほいきた。」
「えええええええ~!!!wwwww」
「はいどうぞ。」にっこり
魚が掛かった竿を息子君に渡し、魚とのやり取りを楽しんでもらい、軽くポンピングの仕方を教え、上がって来たのは50センチのヒラゴ。
「でけえええええ!!!」
いや、それは小さすぎて我々はアジゴと呼んでいるのだが、喜んでいただけて助かります。あざーっす。
しかしその後はサッパリ釣れずで、ただ、ジギングの筋もよい息子君に対して80gは軽すぎるかなって事で100gのロングジグにチェンジ。私が一番実績を挙げているなんかどっかの安いロングジグだ。
水深が浅い水島はちょい投げして底から斜めに長い距離を引っ張った方が釣れるのでそのようにアドバイスした1投目。
「うわー!キタ━(゚∀゚)━!!」
ビビビビ!ぎゅーーん、ビビビビ!
「ジグ変えてもらって・・・教えてもらった通りしたらすぐ来ましたーーー!」
なかなか息子君、人を持ちあげるのが上手ですね。感心感心。
(しかしビビビ・・?まさかね。ここは水島だし)
白島沖で一度釣れた事がある例の魚にそっくりなビビビ。いや、どーなんだろ?そんなに大きくはないみたいだけど・・・?
ビビビ!ビビビ!
(これはもしかして!)
(・・やっぱり!)
「マグロじゃねえかー!キタ━(゚∀゚)━!」
とても小さいのだが、これも立派な本マグロの幼魚である。
「ヨコワだね!本マグロの幼魚だよ!」
「ええーーー!カツオじゃないんですよね!」
「うん!よくわからんけど多分マグロ!w」
「教えてもらった通りでした!」
ふむふむ( ̄ー ̄)ニヤリ
「ルアーも変えたばっかりで!」
ふむふむ( ̄ー ̄)ニヤリ
この息子君は本当に人を乗せるのが上手で、おかげでようやく釣る気になった私もジグを放ってちょいちょいとヒラゴを数匹釣り上げ、お土産もばっちり確保となる。
Shachou号(接待号)はこうして無事に接待を成し遂げたのである。
あ、パパの方はアラカブとエソ、うちの社長は極小のアラカブを立て続けに3匹も釣るという、荒業を披露しておしまいとなった。
パパは誰かが釣ったヒラゴとツーショット。
さあ来週もお客様の予約が入っている。頑張るぞ。
おわり